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ウイスキー作りの肝、蒸留

「製造」プロセスの、今日は蒸留をなぞります。ウイスキーを象徴する工程だけに、触れることが多そうです。

 

・ポットスチルの別名は、その上部の優美な曲線から「スワンネック」と呼ぶそうです。で、この恩恵を体内に受けすぎると、人によっては「千鳥足」になる、と。冗談はさておき、確かにポットスチルのデザインは、丸みとカーブが絶妙で素敵です。

・スチルを通して、熟成に回されるのは「ハーツ」と呼ばれる中間部の液体のみ。このハーツから年輪を経た液体が、呑助の心臓(肝臓?)を握っているわけですね。

 

【本日のポイント】第2章より

〇スコッチモルトの製造

◇4. 蒸留(ディスティレーション)

モルトウイスキーではポットスチルという銅製の単式蒸留器が使われる。蒸留所によって大きさや形が異なり、一つとして同じものはない。

・スコッチは2回蒸留が基本(アイリッシュは3回蒸留)。1回目をウォッシュスチル(初留釜)、2回目をスピリッツスチル(再留釜)として区別する。

・蒸留は、沸点の違いを利用し水とアルコールを分離させること。アルコールの沸点は78.3℃で水よりも低いため、モロミを熱するとアルコールが先に気化して出てくる。

・蒸留1回目:

モロミを初留釜に移して加熱。加熱は伝統的な直火焚きと、スチームのパイプを蒸留釜の中に通す方法の2通りがあり、現在は焦げつきの心配がなく、メンテナンスも楽な後者が主流。気化したアルコールは、釜の首の部分からコンデンサー(冷却装置)に運ばれ、冷却後に再び液化(初留液をローワインという)する。
1回目でアルコール度数は約3倍(度数22~25%)に高められる。

・蒸留2回目:

方法は1回目と同じ。これにガラスケース(スピリッツセイフ)の中でミドルカットを行う作業が加わる。コンデンサーを通って液化されたアルコールが、このセイフの中を通り、3つに区分。最初に出てくる液体をフォアショッツまたはヘッズ、中間をミドルまたはハーツ、最後の部分をフェインツまたはテールと呼んで区別する。

フォアショッツとフェインツは度数にばらつきが見られたり、不快な香気が混じったりするためカット。これをミドルカットといい、ハーツだけが熟成に回される。ミドルカットは職人(スチルマン)の技術と経験が求められる。ミドルカットの幅は蒸留所により異なるが、再留釜に張り込んだ量の20~30%くらい。

・こうして取り出されたスピリッツは、スピリッツレシーバーというタンクに貯蔵される。それ以外のフォアショッツ、フェインツは次回のローワインに混ぜられ、再び蒸留へ。

 

次回は、熟成から瓶詰めまで触れていきます。

製造、ひとくちには語れませんね

今日は「製造」について、です。個別銘柄に行く前に、なんだか「お勉強」モードに入ってしまいそう。あぁー、飲みに行きたい。

 

最初から完成まで、製麦→糖化→発酵→蒸留→熟成→瓶詰め…という順です。文字にすると何かこう、難しい。「フロアモルティング」だの「ディスティレーション」なんてのは、いかにも絵になりますから、写真でもあれば想像しやすいんですけど。ま、本場まで撮りに行くしかありませんね、いずれ自分で。

 

【本日のポイント】第2章より

〇スコッチモルトの製造

◇1. 製麦(モルティング)

・でんぷんが多く、たんぱく質や窒素の含有量が少ない品種(二条大麦)を使う。

・大麦を2~3日水に浸けておくと発芽が始まり、生成される酵素がデンプンを糖に変える働きをする。このときに使用する水がいわゆる「仕込水」。

・この大麦をコンクリの床に広げ、発芽が均一に進行するよう木製のシャベルや機械で攪拌を繰り返す=フロアモルティング。ウイスキー原料の糖分を残すため、芽が麦粒の8分の5になったあたりで乾燥させ、発芽の進行を止める。

・乾燥はキルンと呼ばれる乾燥塔で行う。キルンのメッシュ状の床下でピート(泥炭)を炊く。スコッチ独特のスモーキーフレーバーは、この燻蒸に由来する。

◇2. 糖化(マッシング)

・乾燥が終了した麦芽モルトミルで粉砕。この粉砕麦芽(グリスト)をマッシュタン(糖化槽)という大きな金属の器に移す。

・グリストに67~70℃の湯が加えられ、攪拌し、発酵に必要な糖液を抽出する=マッシング。湯は3~4回加えられ、そのたびに湯の温度を上げる。

 

◇3. 発酵(ファーメンテーション)

・糖液はヒートエクスチャンジャーという熱交換装置を使い、20℃前後に冷却される(高温では酵母が死んでしまう)。ウォッシュバック(発酵槽)という強大な桶に移され、これに酵母イースト菌)を加えて発酵させる。

・蒸留所によってウォッシュバックの材質が異なり、ウイスキーの風味が変わる。サイズは1万リットル~10万リットルまで、容量は蒸留所ごとにまちまち。

ex.北欧産カラマツ材=スプリングバンク、ステンレス製=グレンファークラス

酵母は糖を食べ、アルコールと炭酸ガスに分解する。ウォッシュバックの蓋は、炭酸ガスの勢いで吹き飛ばされることも。そのため、蓋の下部にスイッチャーという泡切り装置が付いている。

・発酵は通常2~4日で終わり、度数7~9%の発酵液=モロミ(英語でウォッシュ)ができ上がる。

 

製造工程、けっこう長い分量が要りますね。次回は蒸留より先を見てみます。

スコッチの長旅(?)、始まります

テキストの第2章は蒸留酒のキング「スコッチウイスキー」です。スコッチがテキストの80ページ分、約3分の1を占めています。銘柄の解説も多く、ここは長くなりそうですね。できるだけ丁寧に読み進めていきます。

 

【本日のポイント】第2章より

スコットランドの概要

◇面積…約7万9,000平方キロ、人口…約530万人、首都…エジンバラ(人口約47万人)、主要都市…グラスゴーアバディーンインバネス
元首…エリザベス2世 通貨…ポンド、国花…アザミ、守護聖人…聖アンドリュー

グレートブリテン島の北3分の1とヘブリディーズ諸島オークニー諸島、シェットランド諸島の島々で構成。

◇本島の緯度は北緯54度40分~58度40分。稚内(北緯45度31分)より、はるか北。

◇西岸はメキシコ湾流(暖流)と偏西風の影響で高緯度のわりに穏やか。東岸は北海の影響により西岸よりも寒冷で、日照時間が長く、大麦の栽培に適している。

◇英国(United Kingdom)を構成する4
地域(イングランドスコットランドウェールズ北アイルランド)のひとつ。人口・面積はイングランドに次ぐ規模。

 

〇スコッチの定義

スコットランドで蒸留・熟成されたウイスキー」ですが、英国の法律ではさらに細かく、下記のように定められているそうです。

・水とイースト菌と大麦の麦芽のみを原料とする

スコットランドの蒸留所で糖化・発酵・蒸留を行う

・アルコール度数94.8%以下で蒸留

・700リットル以下のオーク樽に詰める

スコットランド国内で3年以上熟成させる

・水とカラメル以外の添加は認めない

・アルコール度数は最低40%

 

〇スコッチの分類

モルトウイスキー:大麦麦芽モルト)のみを使い、単式蒸留器(ポットスチル)で2回もしくは3回蒸留したもの。香り豊かで独特の個性から「ラウドスピリッツ」とも呼ぶ。

◇グレーンウイスキー:トウモロコシや小麦など大麦以外の穀物を原料に、連続式蒸留器で蒸留。クリーンで穏やかな酒質から「サイレントスピリッツ」とも呼ばれる。

◇製品ごとに:ブレンデッド、ヴァッテッド(ブレンデッド)モルト、ヴァッテッド(ブレンデッド)グレーン、シングルモルト、シングルグレーンの5種類。

 

今は、複数の蒸留所のモルトをブレンドした「ヴァッテッドモルト」も「ブレンデッド」としてマージするのが主流とか。この分け方は、いかにも大雑把な印象です。ジョニーウォーカーのグリーンラベルと、オールドパーは明らかに違うでしょう。きちんとセグメントしてほしいです。

ウイスキーの原料

テキストからピンポイントで要点を引っ張ります。

 

【本日のポイント】第1章より

〇原料その1:穀物

◇大麦

いの一番にくる原料。スコッチやジャパニーズが発芽させたもの(大麦発芽)を使うのは、そのほうが発酵させやすいから。分類は2種、二条種と六条種。二条種(通称ビール麦)は、ウイスキーやビールなどの醸造用原料に。六条種は食用や麦茶のほか、グレーンウイスキーの糖化用に使われる。日本の二条大麦はほとんどがビール醸造用で、ウイスキー用は輸入に頼っているのが実状。

◇小麦

スコットランドや日本産の今のグレーンウイスキーは、トウモロコシよりも小麦が主原料になっているとか。

◇トウモコロコシ

ここでクイズ。4種類のうち、ウイスキーに使われている原料はどれでしょう?

1. デントコーン

2. ポップコーン

3. スイートコーン

4. フリントコーン

正解は文末で。

ライ麦

アメリカン&カナディアンウイスキーで欠かせない。スパイシーでドライ、オイリーなフレーバー。栽培自体はヨーロッパが主流。

◇そのほか

日本のキリンシーグラム社が米を主原料にした「ライスウイスキー」発売したことがある(1994
年、静岡県のみ)。アワ、キビ、オーツ、ソバ、キヌアで実験的に製造している蒸留所もある。

 

〇原料その2:酵母

◇代表的な酵母は3種類

1. ディスティラリー酵母(蒸留所酵母):

1950年代に開発された培養酵母穀物、ジャガイモ、果実などの発酵液中に増殖する。入手・管理が容易で、現在の主流。

2. ブリュワーズ酵母ビール酵母・エール酵母):

ビール工場から出る余剰酵母。ビールの発酵に利用される。上面と下面に分かれる。

3. ベーカー酵母(パン酵母):

パン造りに利用される。炭酸ガスで生地を膨らませるため、強い発酵力をもつ。

 

〇原料その3:水

◇仕込水は「硬軟」どちらが良いかは一概に言えない

「硬度」とはミネラルの多寡を表す指標。グレンモーレンジは中硬水、アードベッグは軟水。日本のウイスキーは軟水。フォアローゼズ、ジャックダニエルはともに硬水。

◇pH値

ペーハー値(ピーエイチ値)の7を基準の中性とし、これより値が小さいと酸性(酸味)、大きいとアルカリ性(苦味)になる。ウイスキーの製造はほとんどが中性に近いか、弱酸性または弱アルカリ性

 

なんにせよ、良質な天然水を得られるか否かが蒸留所の立地を決める重要なポイントとなる。

 

 

クイズの答え

1.が正解。2.はそのまんま、3.は食用、4.は飼料および工業用です。

「原点思考」と行動の相関

ストレングスファインダー お酒

今夜は、お酒とは少し話がずれますが。

 

ヒトやモノのルーツを知るのが大好きな性分です。

嗜好品も例外ではありません。お酒のように、歴史があるものはなおさらです。年月を積み重ねた分だけ、酒の銘柄ごとにストーリーがありますから。

ただし、1銘柄ごとに調べていたらラチがあきません。本当はそうしたいけど、自分のバッファを理由に、先延ばしにしてしまうのが自分で目に見えてます。

先延ばし=やらない意志表示

アドラーさんでしたか。そういう警句を読んだ記憶があります。「そのうち」「いずれ」は、言い訳の常套句。これらを「今」「すぐに」行動するよう変えていかないと。

好きなものだと自認してるんだから、そういう対象くらい行動で証明しましょうよ。自分への言い聞かせです。検定を受けるのは、達成感と知識を、早く、同時に満たせることも関係しています。

で、お酒関連の本は図鑑、エッセイなど多岐にわたりますが、体系的にきちんと学べるものはそうはないんですよね。検定テキストで学びつつ、試験当日という期限があれば、先延ばしにはできませんから。

 

テキストを読み進め、知識を積み重ねてます。

ウイスキー検定申し込み

感覚を表現するために「知識」は必要不可欠。で、ウイスキー検定を受験することにしました。3級から1級までと、SM(シングルモルト級)が設けられていて、僕は2級とSM級を併願します。

 

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第4回検定は来年2017年2月4日の実施です。先ほどウイ文研のサイトからポチした自動返信メールに「受験票は1月下旬に一斉配送」と記載されていました。
あと、ちょうど3か月。公式テキストや過去問題集とにらめっこしていくことになります。

 

テキストは全8章、

第1章 酒の分類とウイスキーの原料
第2章 スコッチウイスキー
第3章 アイリッシュウイスキー
第4章 アメリカンウイスキー
第5章 カナディアンウイスキー
第6章 ジャパニーズウイスキー
第7章 ウイスキーの製造工程
第8章 ウイスキーの楽しみ方

から成り立っています。

僕の受ける2級は、第7章を除く全てが出題範囲です(3級は第1章と第2章)。飛ばして押さえでいきます。

【本日のポイント】第1章より

ウイスキーの定義は一般的に3条件
1. 穀物を原料としている
大麦、ライ麦、小麦、トウモロコシなど。

2. 糖化・発酵・蒸留を行っている
穀類を糖化し、発酵でアルコールが生じ、その溶液を蒸留してできる。

3. オーク樽熟成させている
"ブラウンスピリッツ"の別名はここに由来。ジンやウォッカは"ホワイトスピリッツ"。


◯世界の5大ウイスキー
1. スコットランド:スコッチウイスキー
ピートを炊くことでスモーキーな味に。モルトウイスキーにグレーンウイスキーを混ぜた、ブレンデッドが知られている。最近は一つ蒸留所だけで瓶詰めされたシングルモルトが人気。

2. アイルランドアイリッシュウイスキー
3回蒸留ですっきりと飲みやすい。最近は別の製法も。

3. アメリカ:アメリカンウイスキー
種類はバーボン、テネシー、コーン、ライ。特有の赤胴色の液体は内側を焦がした新樽で熟成させているから。

4. カナダ:カナディアンウイスキー
種類が他と違い、フレーバリングウイスキーとベースウイスキー。軽くて飲みやすく、クセもないから、カクテルなどにも応用されるということか。

5. 日本:ジャパニーズウイスキー
スコッチの流れを汲む。近年、世界的な品評会でメダルを獲得するなど、評価が高まっている。

僕の周りでアイリッシュやカナディアンを飲む人は、ほとんど見かけない。その親しみやすさ、穏やかさこそが個性だと思うけど。
そういう僕も、ほとんど飲まない。インパクトに欠けて、物足りなく感じるのですね。

この辺りが見分けられるオトナにならなきゃ。

イチローズ・モルトの限定もの

レアボトルといわれるなかでも、「限定200本」だの「イベント開催記念」だの、数量限定品には弱いものがあります。

 

10月に名古屋に行った際、宿泊先のBARで「お…」というのを見つけました。おとなしくカクテル1杯で帰るつもりが、やはりそうはさせてもらえない。

 

飲みに行くときは、たいてい一人。そうなるとBARで座るのはカウンターです。混んでいて空席がなければ出直すか、他の店を探します。

 

この日は観劇からの食事後に、宿泊先のBARへ。日曜日の夜でしたから比較的、空いていました。

一人ですから、スツールに腰を下ろした後に目が行くのは、バーテンダーの立つその後ろ、バックバーですね。あとは、飲む以外で他に視線をめぐらせるとしたら、中のインテリアくらいです。

 

そうすると珍しいもの、見たことのないものには、アンテナが自動的に反応します。

で、こちら。イチローズ・モルトの限定版2本です。

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1本はホテルの周年記念、もう1本はイチローズ・モルト秩父の、HBA(日本ホテルバーメンズ協会)プライベートボトリング2016。

 

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前者は、そのホテルの料飲部に、ベンチャーウイスキー社長・肥土伊知郎さんと親しい方がいらっしゃり、実現した企画ものだそうで。後者はHBAの会員でないと購入できない代物です。

 

ともにショットでいただいたのですが、値段は…忘れてしまいました。

値段を聞いて、「そうですか…。うーん、やめときます」と一度はあきらめかけた額です。が、結局は誘惑に負けました。

どんな味だったか? そりゃあ「うまい」ですよね。結局こんな答えになっちゃう。

 

イチローズ・モルトは、秩父発から全国区のカリスマ的な人気を誇るようになったとはいえ、名古屋のホテルで会うのは不思議な気分。そういう尖がった気分をプレイバックする意味でも、テイスティングのメモくらいは付けておくべきでした。

 

土屋守さんがセミナーで、テイスティングのシチュエーションについて言及された一節を、最近たびたび反芻します。師曰く、

1. 同じ場所で

2. 同じ時間に

3. 同じ条件で(気温とか、使うグラスとか)

 

これが良いそうです。それはもう、できるのであれば最高でしょう。昼間に行うプロが多数いらっしゃる一方で、バーテンダーの中には営業終了後の時間しか取れないという方も。一介のサラリーマンな僕は、時間確保という時点でハードルが上がってしまいます。

 

ので、僕の決意としては、

1. どこだろうと

2. やれるときに

3. こだわらずに

 

やる。これで行きます。

 

仕事と違って、好きなことですから、強く宣言できるのです。